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~ *** ~
優喜が生まれた今、さすがに、新婚の頃のように一緒に入浴することは
なくなった。
というよりも、僕は、今まで通り彼女と一緒に入りたいのは山々なのだが、
現実的な事として、色んな意味でその余裕はない。
だからこの日も別々に入浴を済ませ、
一緒に子供部屋で眠る小さな息子の様子に目を細めてから、
そっと寝室へと向かった。
「ナッちゃん」
ベッドに上がると直ぐに、僕は、柔らかな彼女をギュッと抱きしめ
肩に顔を埋めて、大好きな彼女匂いをいっぱいに吸い込む。
そして、
「優喜、よく寝てたよね?」
伺うように聞いてみると、彼女の唇から細く笑いが零れた。
「フフッ……。うん、よく寝てたね」
「じゃあ、仲良くしていい?」
うん。
頷いてくれた彼女が、愛しくて、嬉しくて、
顔を上げて彼女の可愛い顔を見詰める。
「ナッちゃん」
「ん?」
「好き」
呟くと同時に、ゆっくり唇を重ねた。
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