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 「さてさて。解決編といきましょうか」  助手はにこやかにそう始める。  しかし、場はそんな状態じゃない。  探偵娘は「あーちゃんが! あーちゃんが、わたしの服を剥いで、お持ち帰り!? お持ち帰りなの!? ああ、いけないわあなたには奥さんが! でもまあいっか! いいよね! 浮気万歳! さあ! カム、カムカムカム」と発情し、黒猫は「なな、何を考えている!? 人にばらすなど正気か!? 異形は人に知られてはいけないんだ!!」と、コートを被せられて人に戻りながら抗議の声をあげ、男は「ネコ。人が、ネコに。ネコが、人に」と青い顔をして黒猫を指さしていた。  そんな惨状を見て。  「うん。場も暖まったね!」  助手はにこやかに笑う。  「………うん。あーちゃんは、やっぱりどこかずれてるよね。でもそこが好きっ!」  そんな助手を探偵は苦笑交じりに見やり、  「そーれでは、安楽椅子探偵の安楽椅子に座らないちょーっとイレギュラーな解決編の始まり始まり。いつものごとく、解説はあーちゃんにお任せ! ささ、語り部のワトソンあーちゃん。よろしくおねがいしまーーー」  単純な事件の、些細な勘違いの、結び違えた結び目を、正常に戻す。  探偵娘の進行に従い、そんな語りを、助手は始める。
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