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 『相愛探偵事務所』。  そう銘打たれたチラシが雑居ビルの三階の窓に貼られている。その冗談のような名前を見上げて溜息を吐いた男がいる。  そしてその男が雑居ビルの中に足取り重く入ろうとした時、  「あーーーーちゃーーーーーーん!」  大きな声と共に、三階の窓から少女が飛び出してきた。  「んなっ!?」  その声に反応した男はとっさに、その少女の着地予想地点へと駆け寄り、  「どぶぇっ」  その少女を抱き止めることに辛うじて成功する。  「あーちゃん。あーちゃんあーちゃんあーちゃん。あ、あーちゃんおはよう」  そんな脳天気な少女を男は全身を襲う衝撃に耐えながら、  「っだから、タマ! 階段を使え窓から飛び出るなオレが支えられなかったら下手したら死ぬぞ!?」  激しく少女を叱責した。  「ん? 支えてくれたじゃん」  しかし、どこ吹く風の少女に、男はこの少女に付き合ってから何度目になるかわからない絶句をする事となった。
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