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「あ、あーちゃん! ネコちゃんが、わたしになったよ!?」
そう叫ぶ探偵娘に、助手は顔を覆う。
これは無理だ、と。
一連の流れに不自然な点はなかった。ネコが、コートを被り、そのコートが持ち上がった時にはその下に少女がいた。まるでしゃがんでいたのが立ち上がるかのように、どのタイミングで質量が急増したのかもわからなかった。
これは。こんなオカルトは。
「ここは探偵事務所だぞ!? 論理と理屈の世界だ! 断じてオカルトの世界じゃない!!」
そう悲鳴を上げる助手に。
「おや。オカルトに論理も理屈もないと? これはまた随分な。オカルトにも論があれば、理もあるさ。たとえば私は猫又という妖だが、猫又は人の服を被ってその人間に成りすます。ほれな。論が通るだろ」
「っざけんな! どういう原理か説明できてねえのに通る論があるわけねえだろ!!」
呵々と笑う黒猫に、助手が頭を抱えながら叫んだ。
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