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 「すっごいよ! すっごいよ、あーちゃん! おっぱいの大きさまで一緒だよ!?」  ほら見てー、とばかりにコートの前を全開にしようとする探偵娘。  「おいばかやめろ! 羞恥心はないのかおまえ!?」  それを必死に押さえる黒猫。  どちらが本物でどちらが偽物なのか。  そんなわかりやすすぎる反応に、助手は溜息を吐いた。  とりあえず、滅多に取り乱すことのない、探偵娘の赤面顔が見れたのはラッキーだったと思うことにしよう。………中身猫だけど。  「とりあえず話を整理させてくれ。君は依頼者なんだね?」  とりあえずの混乱騒ぎが収束した後に、助手が尋ねる言葉に、探偵娘の格好をした黒猫が頷く。  「先の変態どもを………この言い方では伝わらんか? 要するに、氏等が十年前に潰した組織な。あれ、我々人外の中でも話題になっておってな。というのも、ああもあからさまに、人を超越した力を振り回し、人外の姿で暴れられては、我々人外の肩身が狭くなる。我々は人間の中に紛れて暮らしているが、人間を害そうなどとは考えておらん。そういった輩は存外多くいるのだが、稀にいる暴走する者のせいで、まともな者は迷惑を被る。そんなふうに辟易しているところにあの事件だった。だからあの事件を解決してくれた氏には本当に感謝してる」  そう言って、黒猫がぺこりと礼をした。  「それは、まあ」  あの事件は実際には国家組織によって秘密裏に片付けられた。なので、ことの顛末を知るものは少ない。普段も、警察に推理した情報を渡すだけなので、警察の人間以外から礼を言われることなど滅多になかった。  そんな助手の感動は。  「そしてな。非現実的なことに対しても論理的に対応できる氏と女史のことは、我々の界隈でも噂に上っている」  続く黒猫の言葉に、真っ白に塗りつぶされた。
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