アンダーワールド

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2033年。それは世界中がある1人の男に注目した年。 その年の世界の人口は5億人を満たさず、人類は衰退の一途を辿っていた。それは経済の悪化と人類に極めて悪害な生物のためである。 その生物は人類を喰らうことを生業としており、人類はその生物になす術なく喰らわれるのであった。その捕食される様はとても言葉として形容し難い程の残酷さを持っている。 世界はその生物を打倒する方法を求めてはいたが、世界全体がその方法を見出す事が出来ず、既存の兵器で対抗するのみ行っていた。 だが、世界がその生物を打倒する方法として1人の男に白羽の矢を打つ。それは、その男自体に生き物を打倒しうる超常の力という訳ではなく、その男の体質のためである。 その男は不死身である。不死身という体質を生まれながらにして持ち、畏怖の念で多くの人々に白い目を向けられていた。また、自分を産み落とした母に捨てられ、天涯孤独の身であった。その母は身寄りの親もおらず、夫と呼ばれる存在は男が生まれると直ぐに行方不明となった。彼女は孤独と我が子の畏怖されるべき体質により我が子を捨てる決断をしたのである。
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