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  「何で、何で、なんで!!!」  後の言葉は言葉にならなかった。喉を劈(つんざ)いて、喚き声となって撒き散らされ、全てを夜気がすぐに攫っていく。あらん限りの罵倒を吐いて、吐いて吐いて吐き続けて、そうして少女は泣き崩れた。  何が星だ、何が願いだ。固く、冷たくなっていく青年の身体の横で少女は呪い続けた。敵を、戦いを、国を、争いを、自分を憎み、最後には星を呪った。  復讐を願ったところで青年はもう生き返らない。少女を嘲るように青く瞬いている星は、少女の願いを叶えてなどくれないのだ。  独り残された少女は、絶望を祈る術は知っていても、希望を祈る術は知らなかった。
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