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覚悟を決めたその時。
「妻にも再婚したい相手が現れてね…その人の子を授かったんだよ。それでやっと離婚に応じてくれて、今日で全部話は済んだから。」
「えっ……?」
何それ、そんなの聞いてない。
もしかして最近帰りが遅かったのも、今日のお昼に奥さんと会っていたのもそのために?
「離婚の話が進んでること、どうして何も話してくれなかったの?」
「全部済ませてから知らせてビックリさせようと思って。今日までにちゃんとケジメつけたかったんだ。」
彼は握りしめた手の中から、私の目の前に小さなビロードの箱を差し出した。
ゆっくりと蓋を開けると、ダイヤの指輪がキラキラと輝いている。
彼は私の手を取り薬指に指輪をはめてくれた。
「長い間待たせてごめん。結婚しよう。」
これは夢…?
まさか嘘をついて私を油断させておいて殺そうなんて思ってないよね?
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