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いつも通りの朝。
テーブルの上にはバターを塗った厚切りのトーストと固めに焼いた目玉焼き、野菜ジュースと温かいカフェ・オ・レ。
私たちはダイニングキッチンで向かい合って席に着き、いつものように朝食を取る。
あなたはトーストを一口かじって私の方を見た。
「またソファーで寝ちゃったのか?」
眠っていてもわかるくらい私の体は冷えきっていたんだろう。
「うん。なかなか寝付けなくてね。ベッドで横になってたら余計に目が冴えて来たからしばらくソファーに座ってたんだけど、いつの間にか眠っちゃって。明け方寒くて目が覚めたの。」
「もう冬になるんだからそりゃ寒いよ。気を付けないと風邪引くぞ。」
看病でもさせられたら面倒だと思っているのか、風邪をうつされたら大変だと自分の心配をしているのか。
どちらが本心なのか、あるいは両方とも本心なのかも知れないけれど、あなたの声や言葉は私の体を本気で心配してくれているんじゃないかと勘違いするほど優しい。
「そうだね。気を付ける。」
熱を出して寝込んだりすると、あなたを殺せないからね。
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