序章

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世界は発展を遂げ、人工知能による人口管理すら可能にした時代。 それは人間が機械を管理していた旧世界とは異なり、機械が人間を管理する。 機械による天秤は、感情など一切考慮せず、ふるいにかける。 そうして落第者となったもの達は、街の中心から追い出されて、隔壁の外へと堕とされる。 近代化により人口の七割が落第者となった街、フラタニタ市街地。 落第者はスラムのように汚れた街に住まざるを得ない状況に追いやられている。 そして隔壁で隔てられた内側。 つまりは街の中央。そこには、延び延びと余生を楽しむ人間達。 皆が楽観的で、人生を謳歌していた。 ――――僕を除いては。
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