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「ところでお姉さん」
「おや。中央の坊やの割には、世渡りを知ってるみたいだね」
どうやらお姉さんは気に入ってもらえたようだ。
少し破れた黒いTシャツと、これまた少し破れたジーパンをくれたのだが、全くわりに合わないのだから、せめて情報くらいはくれると信じたい。
「この辺にパソコンとかある?」
「あ~。それならここにあるよ。電気が少ないから使ってないけどね。それがなんだぃ?」
「譲ってもらえませんか?」
ん~。と悩みながら訝しげに僕を睨んだ。
「なんに使うんだぃ?」
「それは言えませんが……」
「言えないなら渡せないよ。いっとくけどパソコンなんてこの辺りにはないよ。もの好きな私ぐらいさね」
なおさらこの好機を逃すことができない。
僕の『計画』上、協力者は必須だ。
信用なんて会ったばかりで皆無だが、同じ堕ちた身の上。
恐らく協力を扇げば、それなりに力を貸してくれるはず。
見返りは十分に用意している。
「わかりました。何に使うのか、お教えします」
そして僕はこのお姉さんにかくかく然々と説明をする。
この復讐計画の全貌と、過程と、結果を。
それによる見返りは言わずとも、理解してくれた。
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