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ラピスがお昼寝しているときにサワからゆっくり話を聞く。
「りら妃はマリッジブルーになったことってありますか?」
サワが訊く。
リーナは少し考えるが、やはりこの手の質問は、
「ごめんなさい」
「全然分からない」
幼なじみという関係の夫と結婚したので、このまま結婚して大丈夫だろうか、ということは考えたこともない。
価値観、というのも、よくわからない。
食べ物の嗜好、趣味、全てが一致するわけではない。
ミヤのすることに、未だに理解できないこともあるし、ミヤ自身、理解できてないこともあるかも。
「なんかあっという間に結婚が決まって」
「思い描いてたのと全然違って」
「サワが思い描いてたのってどんな?」
「宮様がりら妃に」
えーと、ミヤがあたしに?
「漢詩贈ったり」
「え、あれ、恥ずかしいよ」
「仕事行く前に、ちゅってしたり」
「え、あれ、見てたの?」
「りら妃が宮様を甘い声で呼んだり」
「え、どんな声、てか、サワ、もう、いい」
重傷を負っています。
「ふふ」
サワの久しぶりの笑顔。
「あたしもあんな風に甘えたりするのかなって」
「思ってたんですけどね」
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