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「まさか、りら妃に心配されてるとは思ってもいませんでした」 モリに睨まれる。 「いや、えっと、」 「ごめんなさい」 「運命の人が絶対いるかと訊かれて」 しどろもどろ。 「私にはいませんね、て?」 モリにため息をつかれる。 「もうっ」 怒られる。 「いい機会なんで」 「モリの恋バナ聞きたいなぁ」 「ないです」 逃げられる。 「みんな、いい縁談あると思いますか?」 「どうでしょ?あるといいですね」 大人の貫禄。 「ハルセとサワは、あのままですか?」 「その感じだと、りら妃の周りに、自分の結婚がきっかけで、疎遠になった友達はいないんですね」 「うん」 「あたし、ハルセとサワみたいな」 「女の子の親友はいない」 ずっと気づいてた。 「あたしにはミヤだけ」 「だから、ちょっと羨ましかった」 「同姓の幼なじみって、すごい楽しそうで」 「ミヤが女の子だったら、あたしもハルセみたいになってたのかな」 モリが笑う。 「宮様が女の子だったら、宮様がハルセじゃなくて、サワなんですね」 「え。」 「メリは上手くいってるみたいですよ」 「え。」 忘れてた。 「コウちゃんと連絡を取り合っているみたいで、彼女から聞きました」 意外だった。
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