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アイとはそれから、二・三日ごとにメールのやり取りをした。
僕からメールを送ることが多かったが、彼女からもよく色々な話題を振ってくれた。
言い忘れたがこの話は今から十五年ほど前の話だ。
ミス◯ルがデビュー10週年だったかのベストアルバムをリリースして、キム◯クが主演の型破りな検事のドラマが流行っていた。そんな時代だ。
ようやく二つ折りでカラーの携帯電話が主流になってきた頃で、やり取りはもっぱら携帯のEメール。相手がメールを読んだら「既読」がつくなんて便利な機能はないし。スタンプもないから、絵文字だって(*^^*)←こんなやつだ。
メール以外にも彼女と学食でご飯を食べながら他愛もない話をしたり、時たま夜に長電話をしたりした。
アイは実は、二浪して今の大学に入学していた。
だから歳は僕の二つ上になる。
大学生の二歳差は大きい。
人生経験の絶対量が違う。
それがそのまま、その人物の顔や言葉に現れる。
女の子で二浪って、あんまりいないからな。
僕の知らない所で色々と苦労してきたんだろう。
大人びた表情や、考え方をするアイに、僕はますますのめり込んでいった。
そして願わくば、彼女と釣り合う存在でありたい。そう思っていた。
思い返すと痛々しいくらいに背伸びしていた。すぐに告白!そんなガキみたいなことはしない。なるべくがっつかずに、余裕を持って接したい。そんな身の丈に合わないようなことを考えていた。
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