危険

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「こちら、霧島、酸素が、徐々に、薄く、なってきた」 「最後の言葉言っていいか?ブラウス」 「だめだ!今助けに行く!待ってろ」 俺の不注意だった ケビンはもう死んだ 仲間を一人俺が殺したんだ 俺たちは笑顔でロケットに乗り込み笑顔で帰還するはずだった だが、今日 俺の不注意、星が綺麗で上を見ていたら 月のクレータに真っ逆さまに落ちていった そこでケビンは俺の下敷きになり、そして顔のガラスが割れ 死んでしまった ケビンが死んで俺だけが生きている ケビンが救ってくれた でも、俺はケビンを殺してしまった クレータからはよく星が見える 俺の酸素も限界だ 「ブラウス、来なくていい」 「き・・・・な・・・・・」 「おい!ブラウス!どうした!」 「ち・・・し・・・れ」 無線ももうだめか 宇宙飛行士で最初に死ぬのが俺か 面白いな 有名人だな俺 でも、 「死ぬのが、異常に怖ぇよ」 手も足も震えが止まらない 家で家族が待っている ごめんな、指輪しかあげれてねぇよ ごめんな お前の顔ばっか浮かんできて涙が止まんねぇよ 上を見て妻の顔を忘れようとした まだ浮かんできた 何だあれ。 幻覚か おじさんが宇宙服着たまま降りてきてやがる 何だよ、もうすぐ死ぬのに 「おい!しっかりしろ!」 何だ、ブラウスか 来なくていいって言ったのにな 「さ、きに、ケビンを・・・・」 「馬鹿か!!!!生きてるほうが最優先だ!」 ブラウスお前泣いてんのかよ 男らしい顔が台無しだぞ 「上まで耐えろよ!すぐに酸素が補給できる!」 「そして、今お前のマイハニーさんから電話が来てるぞ」 何だよ、やめてくれよその呼び方 死ぬのやめたくなるだろ 「お願い・・・・・帰ってきて!私を・・私を一人にしないで!」 「お・・いブラ・ウス」 「何だ!、つらいか・・訓練より楽だろ」 「いや、ちげぇ・よ、そんなことじゃねぇ。。。」 「俺は死ぬ理由がなく・なった・・から早く・・早く・・・・上まで連れていけ」 「仕方ねぇ奴だ」 俺は満天の星がある上を向いて願い事を言った 「俺が、、、俺が地球に帰るまで、、俺を生かしておけ、、お星さまさんよ」
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