【2・憂鬱な僕】

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{2} 「隊長!! たった今、『受信機』が『スピリチュアル信号』を傍受しました!」 宇宙船の乗組員Aが 少々、興奮ぎみに隊長に報告した。 「何っ?!本当か!」 隊長も興奮ぎみにそれに応える。 ここは… はるばる地球へとやって来た『ポポル星』の『惑星探査船』の内部。 彼らの星…ポポル星は今、長年に渡る環境汚染のせいで、まさに瀕死の状態に陥っていた。 そこで、他の惑星への移住を考えた彼らは宇宙のあちこちを探索した結果… 遂に!彼らにとって理想の惑星…この地球を発見したのだ! 早速、ポポル星では地球への移住プロジェクトチームが編成され、 様々な検討がなされた結果… 地球を『侵略』せずに、むしろ地球人に『友好の意』を表明し、地球で共に『共存する道』を選んだ方が得策という結論に達した。 そこで、『ポポル星・友好使節団』が立ち上り、 『社運』…いや!『星運』をかけた大船団が地球へと向け、旅立ったのだった。 今、彼ら(隊長たち)が乗っている惑星探査船は、 その前段階として一足早く地球へと潜入(?)して、地球人たちの生活様式や習慣などを調べ、 どうしたら自分たちの友好使節団が地球人たちから熱烈な歓迎を受けるかを探る任務を帯びていたのだ。 ポポル星の大船団が地球に到着するのは、明後日の朝。 それまでに彼らは、できるだけ多くの地球人に関する情報を集め、船団のマザーシップにデータを送信しておかねばならなかった。 そして、様々な情報を収集した結果、 地球人たちは『流星に願い事をする習慣が有る』事を知った。 そこで、なるべく目立たないように探索船を流星の姿にカモフラージュして、 地球人たちが自分たちにどんな願い事をしてくるかのデータ収集をしていたのだった。
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