【2・憂鬱な僕】

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「よし!! 早速、今、傍受したスピリチュアル信号の内容を解析するのだ!!」 「ラジャーっす!!」 探査隊長の指示で乗組員Aは早速、たった今、傍受した『スピリチュアル信号』を『ポポル語翻訳機』で解析し始めた。 やがて… 『ジジジジ…』と音をたてて、その結果が機械からプリントアウトされた。 隊長がそれを見てみると… 『ドウカ、アサッテハ、ドッサリ、アメガ、フリマスヨウニ』 「うーむ…。 『どうか明後日は、朝からどっさり『あめ』が降りますように』…か………」 解析結果を読んだ隊長は、腕を組んで考え込んでしまった。 はて…。 この『あめ』って… 『雨』の事なんだろうか…。 それとも… 『飴』の事なんだろうか…。 実は… 偶然にも、『あめ』という発音の言葉は、 ポポル語でも『雨』と『飴』両方の意味が有ったのだ。 まあ、地球の人間が普通に考えたら、この場合の『あめ』は『雨』を意味しているに決まっているが… 実は、ポポル星人にとって『雨』は、 『まがまがしき邪悪な存在の象徴』なのだ。 長年に渡る環境汚染… その結果、ポポル星に降る雨は、強烈な酸性雨だった。 だから、ポポル星人にとって『雨が降りますように』という願い事は到底、信じられない事だったのだ…。 隊長は、しばらく考えた結果… 「よし! きっと、この『あめ』は、『飴』を意味しているに違いない!」 という結論に達した。 そして、その事は早速、現在地球に向かっている使節団のマザーシップへとデータ送信された。 さて。 その二日後…。 予定通り、おびただしい数のポポル星の友好使節・大船団が、 地球の世界各地の上空を埋め尽くした。 そして、 全ての宇宙船から、 数えきれない程の『特大で大量の飴が』…まさに『どっさりと!』地上に向けて投下された。 その結果! 「うわぁっ!!」 「な、何?!あれ!!」 上空から降り注いで来た巨大な飴を見た地球人たちは! この不可解な現象に大驚愕! 恐怖のあまり右往左往と逃げ惑い! 遂には!巨大な飴を体に受けて大量の怪我人が出てしまった! こうして… 『第一次・宇宙戦争』が… 勃発したのだった…。 チャンチャン!!(笑)
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