半分の私が真っ二つになって―

ウィィィ―――ン
ウィィィ――ーン…

誰もいない真っ暗な地下室で、パソコンが音を立てている。

ギギギ……
ギギギギギ……

パソコンのモニターが輝く。

画面に、無数の画像と動画が開かれていく。

動画からの叫び声が、地下室に鳴り響く。

それらは、地球環境の汚染、絶滅した生物とその理由、人類の戦争と悲劇の歴史、チンパンジー以降の脳の凶暴性、さらにはホモ・サピエンスの前頭葉の限界と弱点などに関する資料だった。

パソコンは誰かに操られているようだ。

画面の一番上に、白紙のwordが開かれ、日本語の文章が打ちこまれる。

「未来を助けて欲しいの。タイムスリップを行う材料も電力も、結局、未来にはなかった」