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美しい山脈の中腹にある村には透明度の高い青く美しい湖がありました。
とても美しいその湖は村の誇りでした。
いつの頃からか、とても美しい湖を眺めている村人は口々に言うのです。
「やあおはよう。今日も青い瞳の女神に合ってきたよ」
「ああそうかい。私は今から青い瞳の女神に逢いに行くんだよ。今日も美しい姿を見せてくれるかな」とこれがこの村人の挨拶になっていたのでした。
青い瞳の女神はいつも変わらない美しい姿を村人に見せてくれていました。
そして、村人に心の平和と癒しを与えていたのです。
そんな穏やかで平和な村に一人の若者がやって来ました。
旅の若者は考古学者で、この村の湖の底にある遺跡を調査しに来たのでした。
村人は、この若者を歓迎する事が出来ませんでした。
村人の愛する「青い瞳の女神」を穢そうとしていると思ったからです。
若者は、村人に懇願しました。
「お願いします。この美しい湖のそこには神殿が、遺跡が眠っているのです。私にそれを調査させてください」
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