夜空へ願いを

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しかし、青い瞳の娘は、そんな王に嫌気がさし、怒って月へ帰ってしまったのだ。 その時、月の女神の怒りに触れた王は、病に倒れ、神殿もろとも池の中へと沈んでしまったのだ。若者よ。この娘を見よ。この娘の青い瞳は月の女神の印だ。お前は月の女神に恋をしてそして神殿の扉を開けてしまった。これは月の女神の怒りに触れる行為だ。娘は月に戻されるだろう。そしてお前はこの池に沈んでしまうだろう」というと顔を横に振るのだった。 それを聞いた娘は「いいえこの人は死なせやしない。私は確かに月の女神の血を受けるもの。私の記憶がなかったの。でも今思い出したわ。この神殿を見つけて扉を開けてしまった以上私は帰らなければならない。ああ・・・愛しい人よさようなら・・」と涙ながらに言うと月の光に包まれて夜空へと昇っていくのでした。取り残された若者は泣きじゃくり青い瞳の娘の名を呼び続けました。そしてまた会いたいと願いました。その願いは夜空に輝く星々に願いました。それは若者が命を果てるまで続けられました           終わり
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