第1章 特別も慣れることにより普通になる
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一足先に慎は家を出る。紗奈は毎朝見送り自分も仕事へ行く準備を進める。 この生活も現在1ヵ月目。 始めは、自分の匂いが慎の匂いでいっぱいになるのが幸せだった。今はすっかり鼻も慣れ、慎の匂いが自分のものになるのを日々感じている。 「幸せだなぁ」 ふと思いが口からこぼれるほど、紗奈は満たされていた。 でもそれは、続かない。
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