「そうだなあ、君の寿命の半分をくれるなら?」

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私の人生はドン底だった 繰り返しの生活の中、何もかも嫌になり電車を待つホームで、どうしたら楽になれるかを考えていた 「あ、電車… 来た… 」 身体が自然と前のめりになっていくのを感じた 「これもいいかな…」 そう思った瞬間 ガガガッ ギギギー ゴオッー 物凄い音と共に電車が脱線し隣のホームに激突した 「あれ、なにこれ?」 立ちすくむ私の足下に転がってきたのは 昨日の喧嘩別れした大好きな先輩 そう、会いたくないと乗車位置を変えた私は助かった 「こんなの、嘘」 しばしたたずんでいると、一面にかすみがかかってきて何もかも見え無くなってしまった あたりを必死に見渡すと遠くから囁きが聞こえてきた 「無かった事にしてあげようか?」 その声は段々と近くなり、やがて目の前から聞こえる 「この悲しい事故、無かった事にしてあげようか?」 姿は見え無いけど確かに聞こえる 「アナタは誰なの?、そんな事が出来るの?」 「僕はね… どうする?元に戻したい?」 白い霧の中に光り輝く物が見えてきた 「はい、お願いします みんなが助かるなら何でもします」 「そうなんだ、何でもなんだね なら、よくある話で君の寿命を半分ほど僕が貰うってどうかな?」 「はい、半分でも全部でもあげますから みんなを、先輩を助けて下さい」 「わかった、約束だよ 君は寿命を半分失うんだ…」
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