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どんよりとした空気のまま、次の街コンの予約をする。
そこでも惨敗。
唯一連絡先を交換した男性とも、相性が合わずに1度食事をして終わった。
そんなある日、再び青年から連絡が入った。
少女と上手くいかなかったようだ。
慰めの文章を送る。
『いい子だし、すぐにいい人見つかるよ』
そう送信すると、既に気になる人が出来たと言う。
若い子って、切り替えが早いなぁ……。
それから少しして、映画と食事に誘われた。
前回同様、恋愛相談だ。
だいたい、予想はついていた。
少しだけ、お洒落をして、程よく抜き感を出して、『襲ったりしないから大丈夫よー』といった雰囲気を醸し出しつつ、車に乗って映画に向かった。
好きなアニメの感動シーン。
お互い同じようなところで号泣し、夕飯を食べながら映画のことで語り合い、車で送ってくれていた時、青年は妙にそわそわし始めた。
「どうしたの?」
「気になる人が出来たって言ったじゃないですか?」
「あーー、言ってたねぇ~……デート誘えそう?」
「あの、……あなたなんです!!」
いきなり何を言い出したんだ?と苦笑いするしかない。
「……一先ず落ち着こう、きっと、振られたばかりで動揺してるんだよ。雨だし……」
余裕ぶっているものの、私の頭のなかは錯綜していた。
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