450人が本棚に入れています
本棚に追加
「……おまえ、どうした?」
しばらくの沈黙の後、口を開いたのはクリスだった。
クリスの方を見ると、怪訝そうを通り越して不審そうな目つきになっていた。
クリスの赤メッシュに対するイメージって一体……
でも、たしかにこの怖そうな風貌からこんなにスラスラとオトナな言葉が出てきたからビックリした。
最初会ったときと全然印象がちがっていたから。
すると俺らをジロジロみながら麺を啜っていた赤メッシュが深いため息をついた。
「おまえら…そんなに俺が珍しいか」
「あたりまえだろ」
「おい」
「おまえが敬語使うのとか気持ち悪すぎるわ。マジ食事のときは勘弁な」
「俺の敬語はクソ扱いか!!」
「まぁまぁ! 2人とも落ち着いて!」
なんでこの言葉下手な俺が仲裁なんか…なんてメガティブなことは言ってられない。
一触即発しそうな2人に挟まれるこっちの身にもなってくれ。
「あ、そういえば…」
「あ"? おまえもなんか文句あんのか」
「いや! そういうわけじゃなくて…」
「じゃあなんだよ。さっさと言いやがれ、ノロマ!」
「だから、俺に用事があんだろ! あとノロマじゃねー、赤メッシュ!!」
赤メッシュの言い草に少しカチンときて言い返すと、目に見えておやっさんがワタワタしている。
ダメだ…やっぱり俺に仲裁役は向いてない。
だけど赤メッシュはようやく冷静になったのか、声のトーンを落とした。
「用事…あぁ。名乗ってなかったな、と思って」
「…………………え? それだけ?」
「あぁ」
「え? マジでそれだけなの? どんだけ友達に飢えてるんだよ!」
「うるせー! いつまでも赤メッシュ呼ばわりは嫌だからな!」
「え、あ…ごめん」
「いや、名乗らなかったこっちが悪いんだ。おまえが謝る必要はねーよ。…三好 由貴だ。よろしくな、みっちゃん」
「ふぇっ!?」
最初のコメントを投稿しよう!