第1章

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突然の『みっちゃん』呼びに目を白黒させていると、赤メッシュ…三好くんだっけ…がなんか文句あんのかという目つきでこちらを睨んでくる。 クリスに至っては、大爆笑している。 ……こんなにクリスが笑ってるの、初めてみた。 「えと…みっちゃんはちょっと…」 「なんでだ? オヤジさんにはそう呼ばれてたからそれでいいだろ」 「いや、その…みっちゃんは小さい頃の呼び名で…おやっさんはその…」 「なんだ? 恥ずかしいのか?」 「は…恥ずかしくない!」 「じゃあいいな、みっちゃん」 「や、やっぱダメ!」 正直恥ずかしくて死にそうだ。 おやっさんにも『みっちゃん』はやめてくれって頼んでるくらいなのに、まさかの初対面でとか恥ずかしすぎる! しかも『みっちゃん』なんて歳でもないのにっ…… もう俺、18だぞ!! だけど、もう三好くんは変える気はないらしい。 もう俺をほっぽって笑いっぱなしのクリスに吠えている。 「そのっ…やっぱりほら、やめよ? な? ほら、その…三好くんも『みっちゃん』じゃん!? そうだ、『みっちゃん』が2人だと大変だろ?」 「三好くんじゃねー、由貴だ。由貴って呼べ」 「そ、そういう問題じゃなくて!」 「うるせーな!! 呼び方ぐらい俺に決めさせろ!」 「うっ……」 三好くん…由貴の剣幕に、思わず黙ってしまった。 もー!! この人、怖い!
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