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入学式。
俺はなんとか大学入試をパスし、希望してい
た大学の心理学科の会場に立っている。
スーツとネクタイで固められた体が鬱陶しい
。
だけど俺は前を向き、颯爽と歩く。
その理由は。
『うわ…あの人カッコイイ!』
『え? どこどこ?』
『本当だー! 同じ心理学科かな!?』
『めっちゃ顔キレイだよね!』
『うん、あれハーフかな?』
『えー?? それはどうだろ』
来た。
心の中でそうボヤきながら、しかし表面上は
無表情を貫き通す。
聞こえないフリでもしないと居心地が悪くて
かなわない。
こんなときは早く知り合いを見つけるに限る
。
早く見つけて、本格的に知らぬ存ぜぬを通す
のだ。
高校とはちがって、服から髪までカラフルに
色付けられた女子大生たちのキャピキャピと
した声をスルーし、俺はスマホを取り出した
。
『今どこにいる?』
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