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かっこいい……
「はぁ?」
「え?」
元々俺が見つめていたから悪いのだけど、正面からぎっと睨まれた。
切れ長の目が上から俺を見下ろして、威圧感に身がすくむ。
するとチッと舌打ちをして、スマホを乱雑に手で弄びはじめた。
よく見ると短髪の横には耳に小さなシルバーリングが光っている。
ますますかっこいい。
…とはいえ、人の顔をずっと見つめているのもこいつが気持ち悪いと思うので視線を前の方に戻した。
--ピロン♪
「ん…」
『周りに誰もいない。光希どこ?』
「あぁ…クリスか…」
「クリス?」
「うん、どこにいるかって……え?」
気づけば隣の大男がこちらを覗きこんで顔をしかめていた。
なんなんだよ、勝手に人のケータイ覗いて…!
思わず顔に出ていたのか、大男が一言小さく『ワリィ』と無愛想に謝ってきた。
「そのアイコン、やっぱクリスだろ。おまえ、知ってんの?」
「そうだけど…」
「友達?」
「…友達以外何があるの」
「……いや、別に」
……なんなんだよ!!
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