僕の(糞)兄貴。

6/9
前へ
/65ページ
次へ
「あー・・・吐き気がする・・・。」 うぷ、と口を抑えてみる。 うわ、本当に出てきた。トイレに行かねば。 ふらふらした足取りでトイレへ進み、個室で吐き出す。 心なしか頭と喉も痛いな・・・ 「うえぇぇ・・・ほんとあいつ無理・・・気持ち悪い・・・。」 「そこまでか・・・?そこまでなのか?」 聞こえた声は自分と似た、だが何故か自分よりもなんとなく低い声。 その声の主ももちろん、自分よりも背が高くて、何故か顔が自分の顔よりもかっこよく見える。そんな奴。知りたくなくても知っている最悪な人間で、さっきまで一緒にいた人間。 「ってなんでいる!?ストーカーか!?入ってくんな!出てけ!帰れ!できれば土に!」 「双子の兄をストーカー呼ばわりか・・・。」 しっしっと追い払おうとしても出ていかないそいつは、どことなく黒いGのつくあれに見えた。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加