僕のお母さん。

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人種差別、男女差別、障害者差別、その他諸々。 とにかく母は【違い】という言葉を認めない人だった。 馬鹿の一つ覚えのように差別はダメと繰り返す。 近所の人達に「非差別気狂い」と称されるほどに。 だから僕らが【一卵性双生児】として産まれてきた時は、腹を痛めて産んだからという理由では足りないほど喜んだらしい。 普通とはかけ離れた理由で。 僕らが産まれてから、ある程度母を咎めていた父、春男は海外赴任し、母の非差別主義は坂を転がるように悪化していった。 具体的に言うと、完璧に同じ量のご飯を食わせ、同じ服を着せ、同じ友達を持たせ、遂には、わざわざ学校に直談判をして、同じクラスにさせた。 とにかく徹底的に【同じ】にこだわった。 そんなことをしても、まったく同じ人間を作れる訳では無いのに。
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