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さて、こんな母親に育てられて、落ちこぼれ、立派な人間に育たなかったのが、母の求めた【一卵性双生児】の弟こと、僕、近衛 冬斗(このえ ふゆと)だ。
・・・そうそう、あと約一人言い忘れてたよね。
僕の兄、近衛 夏斗(このえ なつと)
・・・・・・はぁ・・・。
これがまた、よくできた兄なのだ。
性格がひねくれ曲がったこと以外は平凡に育った僕とは違い、「勉強運動完璧で、真っ直ぐで優しくて、背が高くてイケメン。イケ斗くん。」とは、先程母のことを「非差別気狂い」と称した近所の人達が言った言葉だ。
まったく、拍手を送りたい。最後を除いて。あのネーミングセンスはないだろ。
ちなみにその後、近所の人達が
「えー?それだと冬斗っていう子もいるじゃない!ま、あの子はちょっとね、あれだけどー・・・。」
「冬斗?そんな子いたっけ?」
と僕の目の前で話していたことは、一刻も早く忘れたい五年前、小学五年生の記憶である。挨拶はした。(声が小さくないとは言ってない)
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