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「誰かを嫌いになっちゃだめ。」
幼き頃、母に言われた言葉は十年以上経った今でも記憶に印象強く残っている。
母に誰が嫌いだ、誰が嫌だだなんて、口が裂けても言ってはならない。
死んでも態度には出してはいけないのだ。
ましてや、僕とよく似た兄なんかは特に嫌いになってはいけないのだ。ただの八つ当たり。逆恨み。
だけど、我慢の限界だ。
これ以上我慢を続けたら、・・・僕は多分、爆発する。どう爆発するのかはわからないけど、きっと母さんを傷つける。
僕が劣等感の塊だから。
劣等感のみでこいつが嫌いかと言えば、そうじゃないけど・・・
こいつに今会ったのは丁度いい。
悩む暇もないし、・・・うん。
「おい、夏斗。僕はお前が大っ嫌いだ。」
とりあえず正直に言っとこう。
素直は僕の唯一の良い所だしね。悪い所でもあるけど。
なんとなく働かない、ガンガン痛い頭でそんなことを思ったり。
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