酔いどれエール

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 最近の僕は正直、将来に対する漠然とした不安というやつに、押し潰されそうになっていたのだ。  社会人になって丸二年。どんなに苦しくても三年は頑張れであるとか、そんな事は無いから合わなければすぐに次を探せであるとか。  錯綜する情報に混乱し、まさしく先の例え通り、押し寄せる激務に飲まれ、趣味の時間もすっかり取れなくなっていた。  せっかくの週末も、日が高くなる頃まで眠り、何となく過ごして、あっという間に夜になっている有様だ。  いつも、人生のヒントをくれた叔父さんの部屋を片付ければ、何かが見えるかもしれない。そんな、藁にも縋る気持ちがあった。  残念ながら、結果としてはピンとくるものはあまり無かったと言うしかない。  久しぶりに会う親戚との会話にはそれなりの刺激を受けたものの、人生のヒントというには物足りない。また、しゃんとした印象の強かった叔母さんの、寂しげな顔を見て、そこに自分の相談をぶつける程、空気が読めない訳ではない。  ――頑張れ清太郎、見てくれている人は必ずいるから。  ふと思い出してしまった、色々な気持ちの詰まった叔父さんのエールが、涙腺を刺激してくる。  僕はどうやら、相当まいっているらしい。久しぶりに飲んだお酒の酔いに任せて、ごろりとベッドに横になった。
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