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王都・ウィンドムリスは王国随一の人口を誇り、王国中から人々が集まる賑やかな街だ。
一年と少し前、“革命”が起こったときにはこの街も多大なる被害を受けたが、今ではすっかり元の通りに復興がなされ、商人たちの声も街中に行き交っている。
相変わらずラフな格好をしたままのクロノと、魔術師団の制服姿のギノアは人ごみの中を流されながら歩いていた。
「えーっと、まずは……茶葉?ってこれ超私的なおつかいじゃないっすか?」
「茶葉、菓子、あとは魔法関係の消耗品か。確かにだいぶ私的だな」
「ちょ、先輩近いっす!」
ギノアが持っていたおつかいメモをのぞくために身体を密着させてきたクロノに、ギノアはたじたじになる。
「人が多いんだからしょうがないだろ。つか、自分は散々くっついてくんのに、俺はダメなのかよ?意味わかんないぞ」
「う~、そうっすけど、そうなんすけど~っ!」
「あ、指定されてる紅茶店だ。いくぞ」
「は、はい」
大通りを少し抜けたところに建つ、落ち着いた雰囲気の紅茶店に二人は入る。そこは客のほとんどが女性で、男二人のクロノとギノアはかなり目立っていた。
「アウェーだな」
「はい。副団長はいっつも一人で来てるんすかね?あ、でも副団長なら違和感ないかも」
「それ、本人に言ったら殺されるぞ」
レイルの女性的な見た目は美しいが、本人はかなり気にしている。
なんでも、よくそれを騎士達にからかわれていたらしい。
そこからくる騎士への怨みはかなり根深く、レイルは騎士を毛嫌いしている。
まぁ誰であれ、見た目が女っぽいことに関する言葉を発したものは殺されかけてきたが。
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