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「「登録するんでしょー?さ、早く、そして遊びに行こ!」」
「馬鹿を言うな、ギルドマスターに用がある……それにお前らが言っているのは遊びではない、さっさと帰れ」
クリムディは手で追い払う仕草をし、まだ掴まれたままの腕を引かれ受付へと向かう
二人は同時に首を傾げ
「「何でマスター?ギルドに登録するだけでしょ、受付で十分だよ…………そう言えば人と接触するのも嫌がるくせに、その子の腕は掴んだままだね……?つまりそういう事!?」」
「……どういう事だ、それに…………離すと迷子になるんだよ」
「さっきの事言ってる!?」
仕方ないだろ昼から食べてないし、それから追いかけ回されたり、走ったりしたんだから腹は減る!
さっきのは自分から離れた訳じゃない、少し目を横にしてただけ!
と心の中で思っておく
「「どういう事だ、だって?」」
二人は意地の悪そうな顔をし、思いっきり爆弾を落としてくれた
「「マスターの所に連れて行くって事は、お付き合いをしてるって報告でしょ!それか、一気に結婚!?
いや、まさかジストがねぇ付き合ってた相手が居るとは思わなかった、全然気付かなかった!!」」
「は?」
「へ?」
誰と誰が…………結婚?
俺達が言い返す前に、ガタガタガタァッと椅子を倒し立ち上がったおっさん達が叫ぶ
「「「「ジス坊が結婚!!…………つまりその子は、嫁!?」」」」
「まてまてまて!!まず、クリムディとは今日が初対面!そしてどこをどう見ても、俺は男!嫁、違う!!」
「「「「…………ジス坊が嫁……だと!?」」」」
「違げぇ!!………………おい、お前も何か言え……よ?」
いつの間にか掴まれた腕が自由になっていて、黙ったままのクリムディの前に回り込む
その表情はこの数時間で見慣れた筈の無表情の顔に、青筋が浮かび上がっていた
「「珍しいねぇ、滅多に表情出さないのに~怒った?怒ってる??怒っちゃったの~???
そんなにからかわれたのが、嫌だった?」」
それに火に油を注ぐ二人
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