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少しの説明をした後、女性は目を瞑りじっとして時折頷いたりぶつぶつ言っていた
暫く待っていると目を開き
「ユキシゲ君……貴方にはジストと暮らしてもらいます」
「……!!」
「俺、泊まる為の金無いや」
「そういうのじゃないのよ!ちゃんと理由はあるのよ?このギルドでも良いのだけど……見たでしょ、ここ酔っ払いが多いのよ!!
暴れる馬鹿や絡む人も居たり……かなりの問題を起こす”二人”も居るから、危ないのよ」
二人を強調して言ったよこの人、さっき会ったあの二人の事だよな?
「あーでも、俺男だし大丈夫だと思います……本人の許可無く世話になることは出来ない」
女性が暮らせと言った時から、クリムディが黙ったままで雰囲気が悪い……それに
「…………なんで……俺が……」
嫌そうな顔してんな、俺でも初対面の赤の他人を泊めるってなると嫌だしな
「なんで……じゃないわよ!あんたが拾ってきたんでしょうが!!
それに今日の事で他のギルド所属の帝達の反感買ってんのよ!?
うちのもちょっと怒ってるの居るのよ……だから、最後まで面倒見なさい!!」
なんか、ペット扱いじゃね?
「…………」
すげぇ、俺以上に眉間に皺が寄ってる、かなり嫌なんだろうな
「さっきも言ったように俺、男なんでそこら辺で寝泊まりしますよ
やっぱり住所が無いとギルドに登録は出来ないんすかね?」
ここ重要だよな、稼げなかったら生活出来ないし
「大丈夫よ、元々君に会った時から私が保護者になるつもりだったから
…………ギルドの一室に案内するわね?
その前に寄る所があるの、魔力量と属性を測る部屋に…………良いかしら?」
女性はクリムディを見るが、その表情は何を考えているのか分からない
まあ、表情見ても心とか分からないけど
「………………分かった」
「測定室に連れて行って、その後は空いてる部屋まで案内してね」
「だから……俺、の……家に」
「もう、夜遅いから手早くね」
「俺の家に居候させる」
「いや、いいよ?ギルドに泊まらせてもらう事になったし……?」
クリムディに頭を掴まれ、ゆっくりと力が込められている気がする
「居候させるって…………言ってるんだ……それに……条件がある」
「……条件?」
「家事全般……出来るか……?」
「そ、それなりになら?」
「居候している間……してくれ……」
「貴方、生活力無いものね…………」
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