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「……ここが測定室だ」
薄暗い通路を通って来て、古い扉の前にいた
「絶対、頭凹んだと思うんだけど」
答えた後、思いっきり力を込めてきた
「あの程度では凹まない……早く入れ」
スパッと返され、ちょっとへこみながら扉を開け入る
「……マスター室も凄かったけど、ここの方がヤバイな
普段使われてないとか?」
埃が積もり、天井近くには……蜘蛛の巣がある
遠目に見ながらクリムディが何かを探している様子を見る
「もう何年も使ってないな、ここにある測定用の水晶は特殊な物だから」
「掃除くらいしろよ……特殊?」
蜘蛛の巣から、奴が降りて来ないよう警戒しながら質問
「…………………………簡単に言えば……別世界の人間用」
簡単過ぎだろ
「なんでそんな物がある?」
重要な物なのに扱い雑すぎそこら辺にぽん、て置いてあったぞ
「……さあ?………………両手出せ……手のひら上な」
「さあ?って……これで良い?」
スッと出すとその上に一つづつ、小さな水晶が置かれ
右手のは僅かに光り、左手のも同じく光るが薄い水色、茶色、黄色、黒の複数ある
チラッとクリムディを見ると少し表情が険しいように見える、気がする
「…………そうか、解放の儀をしてないからか……まあいい……ユキシゲ結果だが
魔力ほんの少し、属性は土、雷、闇……この薄い水色は恐らく水の派生……氷……か?」
「俺の名字が雪茂だから、氷の属性とかか?」
「さぁな、属性が四つ……訓練すれば魔力もおそらく増えるだろう………………それか城に行って、解放の儀を受けるか?」
そちらの方が早いぞ?と言われたが
「どんな事するんだ、それ」
「確か……文献には、泉に入り」
「却下で!」
「最後まで言ってないが?」
「自力でも良いなら、そっちにする」
「…………何故?楽な方が良いだろ……?」
「………………あー……城に行くの面倒!だから?」
「疑問系?……俺も面倒だ……紙に書いて、渡して、さっさと行くぞ」
「おー」
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