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全身黒コーデの人物は長いため息を吐き
「数日前、三カ国で勇者召喚の儀が行われる事が決定した
その為過去の記録を調べ直すと、召喚に巻き込まれこの世界へとやって来る者達もいるというのが分かった
ただ、別の場所へと現れるとはな……帝に護衛をさせ一時間程前に行われたはずだが……」
左手首にある腕時計を見る
巨大生物から逃げ回った時間はそのくらいか……壊れてなきゃだけど
「多分そのくらい走ってたと思うが、分からんぞ……護衛はしなくて良かったのか?」
さっき自分は帝だと言ってたから
「………………王女が嫌いなんだ、国王様に緊急依頼が無いか聞いてそっちに行っていた帰りに君を見つけた」
「王女が嫌いってそんなんで良いのかよ、助かったのは事実だけどよ……なぁ、勇者は三人も必要なのか?」
そもそもこの世界の問題なのに他人、他世界の人に頼むなんて疑問なんだが
「…………前回の召喚では三カ国の内一国にしか来なかったらしい、ただ巻き込まれた人が居たという記録はあった
必ずしも来るとは限らないしかも失敗した国では膨大な魔力の暴走が起こり、かなりの被害も出たとか……」
それで護衛として帝が必要だったのか
「王女嫌いでもいいから、国王の護衛はしろよ」
「大丈夫だ召喚の陣にかなり強度のある結界を施してきた、暴発しても周りに被害はない……それに国王様に渡された依頼も緊急だ……面倒くさかったから大技連発して終わらせたけど……疲れた………………さて、君を連れて国に行くぞ」
「え、嫌だけど」
さらっと言われたので、さらっと返す
「……行くぞ」
「変質者と一緒に行動してはいけません、て言われてるから」
少しづつ距離をとり、いつでも逃げれる状態にした…………はずだった
「だから、誰が、変質者だ!!」
「ちょ、速いって!」
すぐ首根っこを掴まれそうになり避けるが耳を疑うような事を言ってきた
「歩いて行くんだ余計な体力を使うな、六時間以上はかかるんだ」
「何か魔法無いの!?」
「魔力がもう無いと言っただろう」
「人の事馬鹿に出来ねえから!!」
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