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中に入る前から聞こえていたざわめきは俺達が入ったと同時に消えた
気にもしていないクリムディは俺の腕を引いたまま、受付と書かれ女性が一人座っている所へと行く筈だったが
とても顔のそっくりな二人が近付いてきた
髪型や服装、装飾品は正反対の物を好むのか見分けはつきそうだが、この二人が現れたと同時にざわめきが戻る
側で話している内容が聞こえた
「今日は来ないはずだろ!」
「な、んであの二人が居るんだよ……いないと思って飲みに来たのに!」
「おい、帰った方が良くないか?」
「いや、今回はジス坊に用みたいだし……大丈夫だ、と思いたい」
「「「「帰るか……!!」」」」
いそいそと帰る準備を始めている飲んでいたおっさん達
「ツヴィーラガ兄弟……」
クリムディも何故居ると言わんばかりの表情を見せた気がする
「「珍しいなジスト、一人を好むお前が誰を連れてきてんだ?…………うわー凄いこの子!目付き悪い!!笑えるー!?もしかして眼鏡かけてるのってその目付きの悪さを隠そうとしてるとか?意味無いと思うよ?遠目でも分かるから!」」
「…………」
「「んー?何も言い返せないのかな?ま、君みたいな子は人に避けられて、勝手に変な噂流されたりするんでしよ?当たってる?当たってるから言い返せないの??可哀想に、見た目のせいで損するんだね!」」
「……………………」
「「………………ねぇ、何か言ったらどう?」」
言い返さず、じっと見るだけの俺に双子は勿論のこと、帰る準備をしていたおっさん達も見てくる
あげくクリムディまで
「おい……大丈夫か?……この二人は後でギルドマスターに処罰させるから……あまり気を落とすな……甘いもの好きか?ここのは意外と美味しいから食べるか??」
言ってくる始末なのだか、俺は気を落としている訳ではない
というか、ちょっと感動している
「なぁ、クリムディ……凄いな!俺さ、前に従兄弟の通う学校で双子見たんだ、全部同じにして見分けがつかないようにしてたんだけど、この二人よりは感動しなかったな!」
「何処に感動する場所があった……」
おっさん達も頷いてる
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