本篇

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 気が付くと、俺は駅西口、大通りを更に進んだ神社の程近くにある屋台村を歩いていた。  無意識ながら、こんな所まで走ってしまったことに驚いたものであるが、それでも、人通りの多い場所に出られたおかげか安堵し、すぐに周囲へと目を向ける。  幸い、アリアの姿はなかった。  星々に宿る何かが、俺の願いを聞き入れてくれたのか……  あるいは、見逃してくれたと言ったほうが良いのだろうか……    翌日、俺は会社を休み、その一日中、部屋に引き籠もっていた。  外を見るのも怖かった。  目が覚めたときは、夕べの出来事が夢ではないかと思い、そう願ったものだった……  警察に話すことも考えたが、どうせ証拠も死体もないし、信じて貰えない。  その後、数日経っても何事も起きなかったが、不安に駆られ続けた俺は、会社を辞め、実家に引き籠もった。  そして、今、この文を書いている。  俺は、今一度、夜空に願う。  あの日、俺が体験した真実を世界が知って欲しいと云うことを……  世界の裏で、人類の命運をかけた[聖戦]が繰り広げられているという真実があると云うことを……  ……おや? 兄が呼んでいる。  俺に客だって?  誰だろう…… 了
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