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それは、飲食店の裏で既に展開していた。
俺は角に潜んで様子を見た。
空き瓶を入れたビールケースや空き缶などを選別したゴミ袋が整理されて並ぶこの場所には、件の少女と、一人のマント姿の大男が立っていた。
月明かりに照らされる中、まるで、影がそのまま立ち上がったようなその男は、風もないのに長髪をたなびかせ、2メートルを超える高さから、少女を威圧的な視線で見下ろしている。
やがて、男が口を開いた。
「……光の使徒どもよ、数多の輪廻転生を繰り返し、未だ我らを追い続け、世界終焉の悲願を阻まんとするか、哀れな宿命よ……」
その言葉は、美声でありながら、まるで地獄のそこから響いてきたようだ。少なくとも今は……
「その口を閉じなさい、邪なるものよ!」
今度は、少女が叫んだ。
「母なる星である地球に文明が生まれた頃より、其方達は人々を惑わし、苦しめ、幾年にもわたり、世界を混乱に導いてきました……神はそれを嘆き、憂い、そして鎮めるために私達を現世に遣わしたのです。その命は、其方らを討ち滅ぼすまで消えることは決してありません。我が魂尽きるまで、其方が何度、転生を繰り返そうとも、追い続けるでしょう!」
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