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――これって、傍目見るだけなら、良くありがちな超人バトルものの始まりみたいだが、実際に見ると、[痛い]ものだよな……
などと考えている内に、少女に対する、男の会話による挑発が続いていた。
「光の使徒どのは、一つ勘違いをしている……」
一息ついて、言葉を続ける。
「人間とは、元々そう言う生き物なのだよ……我は何千、何万もの年月の中、永きに渡り転生を繰り返し、人間どもを観察し続けてきた……そこで見たものは、背徳に溺れ、強欲に貪り、結果、自らを滅ぼす醜き姿……これは、我らが仕向けたのではない。そも、未だ世界では、我らの関与無くともいくらでも争いは絶えないではないか……」
男は鼻で笑い、自身にとって、おそらく決定打となる台詞を放つ。
「……即ち、人の滅びは因果横暴というものだ!」
――まぁ、そう言う方向に持って行くだろうな。しかし……
両手を振り、大仰な仕草でありがちな口上を述べる男ではあるが……
――因果横暴?
たぶん、因果応報と言いたいのだろうが……
それに、関与していないのなら、結果、男に罪はないのでは……
と、言うより、自分で存在意義を否定していないか? マント男は……
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