本篇

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 無限に広がる大宇宙……  遠くから見える点のような輝きの一つ一つが、近付いてみれば、それ自体が無数の星々を内包する銀河であり、更に拡大していけば、赤々と炎を宿す恒星、即ち太陽があり、その周囲には、まるで付き従うかのように楕円軌道を描く九つ、今は八つだったか――の惑星が取り巻いている。  その一つ、太陽から数えて三番目の惑星、それが地球と呼ばれている。  太陽系と呼ばれる惑星群の中で、決して大きい方ではないこの星に、今は無数の命が生と死を繰り返し、その中で、人間と呼ばれる種が一見、栄華を極めている。  一見、と云ったのは、そもそも、その人間の中でも栄枯盛衰が繰り返され、戦争や災害により何度も滅びかけ、そのたびに進歩、発展を続けた結果、今の地球上に於ける、[万物の霊長]という地位、称号を勝ち得たわけである。  世界は[偶然]によって誕生したのか、それとも、何者かが[必然]を以て創ったのか……  暗い宇宙から夜の地球を見下ろせば、人類の文明が照らし出す光が、それこそ星々のように輝いている。  そして、星のような光の一つが、俺のいる場所……
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