第2章・鎖国編

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そして、ある日、俺は真実を知ることになる その日、俺は相変わらずどうにかして センリー人の本当の目的は何なのか 確かめる術は無いかと考えながらも 奴等の計画とやらを進めていた 所謂、科学技術の伝承計画だ すると、ヒューマノイドのイチローが やって来た 彼は俺の側にいて世話係をしている 車の運転もやってくれる 彼はニコニコ笑いながらこう言った 「中武、月探査衛星のムラサキシキブ2の 写真見ました?凄いですよ~、 綺麗です、地球の科学力も大したものです」 俺は連れてこられた初日に 宇宙を見せろと、リンダに月や火星の 傍まで行っていた 更に宇宙遊泳までさせろとねだったのだ 尤も、地球の科学力なるものにも興味があった だから、直ぐに食い付いてしまった。 俺はその頃、既に名前を変えていた 森木では俺に何かがあった時に 何かをしでかした時に 家族に迷惑をかける恐れがあるからだ それと自分が別の人間になったのを 自ら思い知らせる為にも名前を変えた 森木裕之は既に死んでいたのだ いや、影武者が俺なのだ イチローはセンリー人のマリアやケントよりも 心が許せた 彼は俺が喜ぶ様な事を 言ったりやったりしてくれるからだ それがヒューマノイドと言うものらしい イチローは写真を1枚俺に見せた 一辺40センチ位の大きめの写真だ、俺は 「もっと寄ったの無いのかな?」 と聞くと 「ジャクサやナサには有るのかな? ハッキングはバレませんけど 無理矢理やる意味は無いので」 との返事 センリーのオーバーテクノロジー もっと綺麗に写った物を リンダは持っているに違いない 「リンダ持っているかな?」 と聞いてみると 「多分、何ならシャトル飛ばして見に行きます?」 と冗談の様に言ってきた 俺は何故かセンリーの科学技術を使うのが 反則技の様な気がしていた 嫌だった、俺は地球人だ 地球人の出来る範囲内で宇宙を 知りたかったのだ 小さな、とても小さな反抗心だった。
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