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「お母さん」
「ん?」
「おじさん、お母さんのこと知っていたよ」
「え?」
「お母さん可奈っていうのって言ったら、ぎゅーってハグして肩車もしてくれたよ。
おじさん写真のお父さんにも似ていたよ。あれ?髪は銀色の髪だったから違うよね。お父さん黒髪だよね。
そんでおじさん、王子様のようなかっこいい服着てたよ。」
もしかしてリュートが 流理を助けてくれた?......
リュートの髪は地球にいる時は黒髪に変えていたが、元は銀髪だ。
「お母さんによろしくって。必ず会いに行きますって。夜空の星を見ながら、いつもお母さんと私が元気でいるよう祈ってますって。」
リュート......
あなたも......いつも夜空を見上げて私たちのこと想っていてくれたのね。
流理から伝えられたその言葉に心が揺らされ、目頭が熱くなる。
「そっか、そのおじさん、たぶんお父さんだよ」
私は涙が出そうになるのをごまかしながら、そう言った。
「やっぱりそうかと思った。なんでお父さんだっていってくれなかったのかな、もう。
あーお父さん、いつ会いに来てくれるのかな?」
「そうね。お父さんの病気が治ったらね。」
「会いに行けないの?」
「遠いし、お母さん宇宙船持ってないしね。」
「えーじゃあ お父さんきてくれなかったら、私がお金ためて宇宙船乗って行くー」
「期待してるわ。」
「期待していいよ。私、能力ある女だもん。」
私は流理と同時に笑った。
空を見上げると、台風明けのスカッとした青空だった。
私は空を見上げ祈った。
流理が無事でいてくれたことに対する感謝と、リュートへ想いを祈りに乗せて......
この空がリュートに繋がっていて、彼もいつもこの空を見上げていると思いながら......
想いは時間と空間を越える。
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