第2章 夜空に願いをこめて (リュート視点)

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「俺は一生可奈以外結婚する気はない。それは絶対だ。今の王には力がないから周りが力のある俺を立てようとしているだけだ。」 力とは王族が持っている超能力的パワーのことだ。 王家は始祖王セリュード王から始まり神の力を持っている。それが王の証だとも言われている。一般人は持っている人がほとんどいない。 しかし俺はその力を強く持っていて、俺と騎士契約をすればその1部を他の人に引き継がせる能力まで持っている。 しかし最近の王族の中には、力を持っている人が減った。 現王パラカーン王にはその力がない。 皆が現王を軽く見るのは、年が若いだけじゃない。王としての力がないからだ。 だから今だに力を持っている俺を王として立てようとしているのだ。 困った話である。 兄が王になった時も、兄より力が強い俺は兄に王座を譲るため、キーンと一緒に宇宙研究宇宙船に乗ってこの星を離れたのだ。 病気にならなかったらここには帰ってこなかっただろう。 俺は王になる気はない。 王は結婚しないといけないが俺は可奈以外結婚する気はないのだ。 甥のパラカーンが王として立つために、俺は力添えしようと思っている。 「力のない王には王の資格はないだろ?」 キーンは俺にそう尋ねた。 「科学が発達した現代に、王の力は必要じゃない。象徴でいいんだ。俺はもう王という制度もいらないと思っている。 地球のように王がいなくても民主主義で民衆から代表を出せばいいと思ってるよ。」 「リュ-ト...... 君 本当に王族? 王族は神の血族だよ? まあ、君の言ってる意味もわからなくはないけどね。」 「俺の願いは......ただこの星の平和と...... 可奈と我が子が幸せだったら...... それが俺の願いだよ、キーン。」 俺はもう1度、窓の夜空を見た。 239万光年離れた地球に...... 夜空に願いをこめて......
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