第3章 行方不明の流理

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次の日も台風は過ぎ去らなかった。 消防隊からの連絡はない。台風のせいで捜索は困難を来たした。 消防隊からは2次事故を起こさない為に、私達が山に入ることを禁じた。 山が崩れたところがあるらしくその下敷きになっている可能性もあるらしい。 又は、川に落ちた可能性もあるとのこと。 流理...... どうしようもない苛立ちが募る。 流理のことを思うと、のどはからからになり、心臓は誰かにぎゅーとにぎりつぶされるかのように苦しかった。 涙が自然と出た。 リュート...... 助けて...... 流理が山で行方不明になってしまった。 どうしたらいいの。 私はなんて非力なんだろか。 流理を助けてお願い...... お願い...... お願い...... 苦しい胸を抑え、ただ、ただ、わが子の無事を祈るしかなかった。
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