第3章 行方不明の流理

3/6
前へ
/11ページ
次へ
『可奈...... 流理は大丈夫だよ』 耳元で男の人の声がしてはっと気がついた。 テーブルの椅子にすわり目を瞑っていたが、流理を思って泣きながら知らないうちに、意識がとぎれていたようだ。 電話が急に鳴った。 家の黒のコードレス電話をあわてて取ると、消防署からだった。 「高田さんのお宅ですか。消防署です。お母さんですか。娘さん。保護しました。」 流理が見つかった。 ああっ...... コードレスの電話を抱いて、すわりこんだ。 神様、神様、ありがとう...... 我が娘流理の無事に、ただただ、感謝の涙が止まらなかった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加