第3章 行方不明の流理

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外に出ると、台風が遠ざかり雨が止んでいた。 玄関横の木の隙間から差し込む朝日は、眩しくて目がチカチカした。 消防署に行くと、控え室に通された。 そこのソファーに毛布で包まっている流理が座っていた。 「お母さん」 「流理」 私は我が子を毛布ごと抱きしめた。 「怪我はない? なんで山になんて......」 流理の頬を両手で包み髪を撫でた。 流理は「ごめんなさい」と小さくつぶやき私の胸に顔を埋めた。 「高いところで祈ったら空に近いから......願いがよく効いてもらえると思って。」 「馬鹿!」 目に涙がたまって、娘の顔がぼやける。 とにかく無事でよかったと、流理を強く抱きしめた。
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