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人間界の出来事-4
忘れようとしていたけれど、どうしても衝動を抑えられずに見た眞那の独占インタビュー、快の脳裏には不思議とおまけのように聞かれた眞那の趣味の話が焼きついていた。
(陶芸…)
快は自分の手を見つめた。
(すごーい、快君、上手なんだね)
ふと眞那の言った言葉を思い出した快は押入れのダンボールを引っ張り出した。そこには捨てられなかったおもちゃが入っていた。
封を開けていない百均の粘土を二つ見つけた。
手に取った一つ目の粘土は固くなっていて、使えなかった。
二つ目を手に取った。
弾力性があった。
封を開けた。
快は昔を思い出して粘土をこねまわした。
自分でも説明できないワクワクが快を包んだ。
「陶芸か…」
(って就職活動をしなきゃいけないときに俺は何を考えているんだ?)
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