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人間界の出来事-1
「ハイッ!カットーッ!お疲れ様でしたぁ」
スタジオに撮影の終わりを告げる声が響いた。
「眞那ちゃん、快君、お疲れさん。今日も良かったよー」
そう言ったのは映画の総合プロデューサーだ。
幼稚園大きい組の二人が様々な事件に巻き込まれる人気ホームコメディサスペンスドラマの映画版のクランクアップだった。
「ありがとうございます」
眞那はそう答えた。
その返事は子供とは思えないほど明瞭な発音で,おじきも模範的なものだった。今すぐにでも社会人として通用しそうな。
それでいて大人ぶった嫌味はない眞那は周囲に清涼感をもたらすような女の子だった。演技力においても眞那の右に出る子役はいなかった。
対照的に快は眞那のような磨き上げられた才能は感じられない男の子だ。それは誰もが持つ印象で、ほぼ事実に相違なかった。
そんな快が視聴者を惹きつけていたのは舌足らずなセリフまわしと愛くるしい瞳だった。
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